過去に『半沢直樹』『99.9 -刑事専門弁護士-』『陸王』などの大ヒット作を送り出してきたTBS「日曜劇場」の最新作・『ブラックペアン』が好評放送中です。
嵐の二宮和也さんが主演を務め、医療の世界のリアルを描く『ブラックペアン』では様々な専門的職のキャラクターが登場します。
視聴率的に好調な『ブラックペアン』ですが、抗議文が届くなど作品中の描写に否定的な意見が出ています。
この記事では、『ブラックペアン』に抗議文が届いた理由や現実と比べておかしな点について解説していきます。
ブラックペアンへの抗議文がどこから提出されたの?

『ブラックペアン』に抗議文を届けたのは日本臨床薬理学会です。
日本臨床薬理学会という名前は聞きなれないかもしれませんが、主に新たな薬物治療や新薬開発の研究・促進を目指して活動している一般社団法人です。
抗議文の全文は、日本臨床薬理学会の公式フェイスブックでも確認できます。
今回の抗議文は、匿名のひぼう中傷ではなく、医療の最先端で活動する日本臨床薬理学会からの出たものなで話題を集めることになりました。
ブラックペアンの治験コーディネーターの役割が違う?

『ブラックペアン』で問題視された、治験コーディネーターについて説明します。
新薬や医療機器を開発する時は、前もって厚生労働省の認可を得る必要があり、人体への効果・安全性をきちんと確認するテストを行います。
このテストを治験と呼び、治験を行いたい製薬会社・医療機関・被験者をつなぐパイプ役を担当するのが治験コーディネーター(通称CRC)です。
ドラマの中では、加藤綾子さんが演じる治験コーディネーター・木下香織が登場します。
特に、日本臨床薬理学会が『ブラックペアン』の治験コーディネーターの描き方で問題視する部分が2ヶ所あります。
1つ目は、『ブラックペアン』に登場する木下香織は、スーツ姿で現れて担当医師たちを高級飲食店で接待する場面です。
2つ目は、治験を受けることになった患者に、木下香織が「負担軽減費」の名目で300万円もの大金を渡すシーンです。
いずれの描写も本来の治験コーディネーターの現実姿とは大きくことなり、誤解を招くと日本臨床薬理学会は抗議文をTBSに送ることになりました。
ブラックペアンの不評や実際の突っ込みどころ・おかしな点は?
『ブラックペアン』は海堂尊さんの小説を原作にしていますが、原作には治験コーディネーターは登場せず、ドラマのオリジナルのキャラクターになります。
本来なら登場しないキャラクターを新たに加える必要があったのかと、ドラマでの事実と異なる描き方に加えて、この点でも『ブラックペアン』には批判されています。
オリジナルキャラクターとして治験コーディネーターが登場するため、リサーチ不足もあって突っ込みどころやおかしな点が多い描写となったと言えそうです。
ちなみに、『ブラックペアン』の公式サイトは、「※ドラマの演出上、登場人物の行動は、治験コーディネーターの本来の業務とは異なるものも含まれています。」というコメントをのせています。
まとめとして
『ブラックペアン』のスタッフは、オリジナルキャラクターを作るなら、見る人に誤解を招かないように治験コーディネーターを描く必要がありました。
治験コーディネーターの描写については微調整しつつ、医療現場で働く人も納得のいく作品になってほしいですね。
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